朝日新聞 デジタルより
遠州灘など県沿岸でも産卵するアカウミガメについて、県は27日までに、特に保護が必要な「希少野生動植物」に指定する方針を固めた。県指定の希少野生動植物はこれまでにホテイラン(ラン科)など7種の植物が指定されているが、動物では初めて。
アカウミガメは成体で体長1メートルにもなるウミガメ。日本の砂浜で産卵する習性が知られているが、各地で進む護岸工事や砂浜の浸食、海洋汚染などで産卵率は減少傾向にある。県はレッドリストで「絶滅危惧類」に指定しているが、罰則を設けている県希少野生動植物保護条例で追加指定することで、保護を強化する必要があると判断した。
県指定希少野生植物にはホテイランと同じ南アルプスに生息しているホテイアツモリソウ(ラン科)▽キバナノアツモリソウ(同)▽タカネマンテマ(ナデシコ科)▽キンロバイ(バラ科)▽オオサクラソウ(サクラソウ科)の5種のほか、県東部の山林の林床に分布しているカイコバイモ(ユリ科)がある。
県は29日に開かれる県環境審議会(県知事の諮問機関)に諮問する。審議会は今年度中に「指定が妥当」と答申する見込みだ。