産経ニュースより
2014.9.5 09:31[感染症]
春先から始めたペットのノミ予防(駆虫)薬の投与。涼しくなり「もう、おしまいにしようかな」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ノミは気温や湿度が高い梅雨や夏季だけでなく、エアコンや加湿器などで環境を整えた秋冬の室内でも繁殖します。
ノミに寄生されるとペットは突然、体をなめたり、痒(かゆ)がったりします。確認方法はノミの糞(ふん)を見つけることです。ノミ取り用のくしで背中から腰部付近の被毛を皮膚までかき分け、1ミリメートル以下の「黒い小さな粒」を探してください。ぬらしたコットンの上に粒を乗せてこすり、赤く滲(にじ)んだら、それは吸血をしたノミの糞です。
ノミが寄生するとかゆみや脱毛だけでなく、吸血した際にノミの唾液がペットの体内に入り、アレルギー性皮膚炎になることもあります。また、ノミが媒介する感染症もあります。
例えば「瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)」(サナダムシの一種)と呼ばれる寄生虫症や、「猫ひっかき病」と呼ばれるグラム陰性菌による感染症は、人にも関係する人獣共通感染症です。
そのため、ノミを爪でつぶしてはいけません。中にいる瓜実条虫が卵をまき散らす可能性があるので、洗剤などを薄めた液体に入れて駆除することをお勧めします。
大切なペットと家族を病気から守るために、定期的なノミ予防と生活環境のケアが大切です。ペットの寝床などを中心に掃除をこまめにしましょう。予防(駆虫)薬はさまざまありますので、かかりつけの動物病院に相談してください。(アニコム獣医師 堀井典子)