産経新聞より
【上海=河崎真澄】中国で病死した豚の肉を養豚業者から安く買い上げ、食用に不正販売していた犯罪組織が相次いで摘発され、社会問題になっている。組織は養豚保険を取り扱う会社から病死情報をひそかに入手して養豚業者と取引していたほか、検疫機関を買収して食用の偽装証明を発行させるなどの手口を使っていた。病死家畜肉をめぐり、大がかりな組織犯罪が摘発されたのは異例だ。
◆保険会社から情報
国営の新華社通信などによると中国公安省は昨年来の集中捜査の結果、14日までに湖南省や河南省、広西チワン族自治区などで病死豚肉を不正に流通させていた11の犯罪組織を摘発。110人以上の身柄を拘束して取り調べ、不正な豚肉約1千トンを押収した。
屋台など衛生当局の監視を免れやすい業者にヤミで販売していたほか、一部はベーコンやソーセージ、食用油などに加工して流通させていた。少なくとも1億元(約19億円)を超える売り上げを違法に得た。
この他に、農業省が江西省で摘発した犯罪グループは、省内のみならず広東省や重慶市など各地に病死した豚の肉を正規の食肉と偽って売りさばき、約2千万元を得ていたという。
◆検疫機関を買収
江西省では、年間に生まれる約200万匹の食用豚のうち、平均9万匹が病死するとのデータがある。養豚業者は飼育している豚が病死した場合、保険金を受け取れる養豚保険に加入しているケースが多い。犯罪組織はこの制度に着目し、業者が保険金を請求してきたとの情報を保険会社の社員らからキャッチ。情報提供料を払う一方で、養豚業者に近づき、病死した豚を買いたたいていたという。
養豚業者は保険金も受け取ることができるため、犯罪組織の手口に乗っていた。さらに、検疫機関の担当者もリベートを受け取り、規定に従わず目視するだけで、自由に書き入れられるような検疫合格証を発行していた疑いがある。江西省では地元の公安局が不正流通ルートに関与していた疑いも持たれている。
中国では病死した家畜の肉の違法販売で2011年8月以降、計4600件が摘発されているという。
◆保険会社から情報
国営の新華社通信などによると中国公安省は昨年来の集中捜査の結果、14日までに湖南省や河南省、広西チワン族自治区などで病死豚肉を不正に流通させていた11の犯罪組織を摘発。110人以上の身柄を拘束して取り調べ、不正な豚肉約1千トンを押収した。
屋台など衛生当局の監視を免れやすい業者にヤミで販売していたほか、一部はベーコンやソーセージ、食用油などに加工して流通させていた。少なくとも1億元(約19億円)を超える売り上げを違法に得た。
この他に、農業省が江西省で摘発した犯罪グループは、省内のみならず広東省や重慶市など各地に病死した豚の肉を正規の食肉と偽って売りさばき、約2千万元を得ていたという。
◆検疫機関を買収
江西省では、年間に生まれる約200万匹の食用豚のうち、平均9万匹が病死するとのデータがある。養豚業者は飼育している豚が病死した場合、保険金を受け取れる養豚保険に加入しているケースが多い。犯罪組織はこの制度に着目し、業者が保険金を請求してきたとの情報を保険会社の社員らからキャッチ。情報提供料を払う一方で、養豚業者に近づき、病死した豚を買いたたいていたという。
養豚業者は保険金も受け取ることができるため、犯罪組織の手口に乗っていた。さらに、検疫機関の担当者もリベートを受け取り、規定に従わず目視するだけで、自由に書き入れられるような検疫合格証を発行していた疑いがある。江西省では地元の公安局が不正流通ルートに関与していた疑いも持たれている。
中国では病死した家畜の肉の違法販売で2011年8月以降、計4600件が摘発されているという。