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動物愛護が楽しくてもいいんじゃない?

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dog actually -犬を感じるブログメディアより




ガニング亜紀さん
2015.05.11
IMG_8123.jpg
今この文章を読んでくださっているあなたは「動物愛護」と聞くとどんなイメージを思い浮かべられますか?
もちろん、それぞれの経験や立場によって、その印象は千差万別、百人いれば百通り(いや、場合によっては百人いれば二百通りも三百通りも)にイメージがあることと思います。パピーミルや保護活動のあり方にも大きく関係してくる、イメージの発信の仕方について考えてみたいと思います。


たいへん残念なことに、世の中には動物の保護活動をする人たちを「愛誤」という呼び方で一括りに揶揄する人もいます。さらに残念なことに、実際に保護する側の人も動物への愛が強すぎるあまりアニマルホーダーに近い形になってしまうなど誤った方向に行ってしまう例もあります。そこまで極端な形でなくても「動物愛護」は訴え方を間違えると、あまりこういうことに馴染みのない人々をかえって遠ざける結果にもなり得ます。


今までにも何度も、動物の保護活動にもビジネス的な視点を持つことが必要であると書いてきました。ビジネスを成功させるためには、まずは多くの人を魅了して顧客を確保しなくてはならないように、保護活動も世間に対して魅力的で良いイメージを発信して、まずは門戸を開くことが大切です。明るく良いイメージを広げることで、保護活動への理解も深まり、長い目で見れば活動をしている方々の負担も軽くなることにつながっていきます。
......と、そういうことを常々考えているわけですが、先日そんなイメージ戦略の最先端のような動画を見かけました。


カリフォルニア州オークランドにあるEast Bay SPCAという保護団体が制作したアダプションのためのプロモーションビデオです。East Bay SPCAは100年以上の歴史を持つ老舗団体です。またIT企業の創設者が愛犬を偲んで設立した動物保護基金Maddie's Fundのサポートも受けています。
前置きが長くなってしまいました。まずは楽しい動画をご覧ください。元ネタはイギリスのミュージシャン、マーク・ロンソンがボーカルにブルーノ・マースを迎えて2014年に大ヒットしたUptown Funk。こちらのオリジナルのビデオも見ていただくと、このパロディがとても良くできていることがよくわかって2倍楽しんで頂けます。





歌詞をザッと意訳すると


このピット、やって来たのはイーストベイ
やつのお気に入りはやんちゃプレイ
ちっこいワンコたちはお膝をあっためてやる天才だ
ロングコートにショートコート、みんな犬舎でご機嫌さ
リードを着けたら、ペロッと顔をきれいにして準備完了
オレって可愛すぎーっ(イケワン!)
市長さんと君の彼女に電話して言ってやって
I'm too cute (イケワン!)
自撮りしてインスタにアップするんだ
オレって可愛すぎーっ!(イケワン!)
ほら、ここのタグを読んだらオレのことがわかったろ?
今すぐおうちに連れてってくれていいんだぜ
家族ができた!ハレルヤ
おうちができた!バンザイ
オークタウンのワンコがいいものあげる
よしアダプトだ 今がその時
君のワンコにヒニンキョセイをするんだよ
避妊去勢の手術を忘れちゃダメだ
あ、ちょと待って ボウルにお水いれてくれる?
申込書をよく読んで、署名をしたら
カウンセラーさん!リードちょうだい
イーストベイのSPCAから新しいおうちへ
シェルタードッグはサイコーだって見せてやるぜい!
みんな可愛すぎーっ(イケワン!)
最後にひとつ、みんなに言わせて
街じゅうみんな、どの街もみんな、ワンコをアダプトだーっ!
ほら、そこの君もオレに続くんだろ?
ちゃんとオスワリして、よしそれでいこう
セクシーな君はもっと見せびらかしてやれ
ヨダレぐせがある?う~ん、開き直れ
寝転んでないでダンスにジャンプだ
よしアダプトだ 今がその時
街じゅうみんな、どの街もみんな、ワンコをアダプトだーっ!
Say ワン!



ビデオの0:35と1:51のCall the Mayor(市長さんに電話して)の歌詞で登場しているスーツ姿の女性は実際のオークランドのリビー・シャーフ市長です。
他の出演者はシェルターの職員の皆さんと保護犬たちですが、ボーカルの女性と撮影スタッフはプロを雇って制作しています。
もちろん、このレベルのものを制作するのは誰にでもできるというものではありません。そして実際の保護活動の運営は楽しいことよりも、辛いこと悲しいことの方が多いものです。けれど、一般の多くの人々が保護犬を家族に迎えることや動物愛護そのものに対して取っつきにくかったり悲しいイメージがあるままでは、保護活動の裾野も広がっていきません。
このビデオは「こういう精神で作る活動もあるんだよ」と言うほんの一例です。動物愛護の活動も頂上を目指す道は一本ではないはず。今進んでいる道とはまた違う道もたくさんあるのだと知っておくことは、行き詰まった時や迷った時の助けになるはずと考えています。






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