産経ニュースより
■「心しだいで救える命も」
東日本大震災で犠牲になったペットの絵画展を全国各地で展開している千葉県の絵本作家、うささん(46)が29日、尼崎市役所で講演し、災害時には飼い主の避難が最優先となり、ペットの命を守ることが後回しになりがちだが、「一緒に避難するなど、一人一人の心しだいで救える命はたくさんある」と訴えた。
うささんは東日本大震災後の平成23年10月に宮城県沿岸部の被災地でボランティア活動をしていた際、家屋に取り残された多くのペットが津波で流され、命が失われた事実を知り、犠牲になったペットを絵でよみがえらせる活動を思い立った。
一昨年からペットを失った被災者約150人から話を聞き、犬や猫、ウサギなどのペットの元気なときの姿を国内外のイラストレーターの協力で絵にして、宮城や東京、大阪など全国各地で絵画展を開催。終了後に飼い主に贈ってきた。
現在はこれまで描かれた作品の複製画展を全国で開催しており、今回は尼崎市の呼びかけで2月2日まで市役所1階ロビーで作品約60点を展示している。
講演で、うささんはペットとの思い出をつづった飼い主らの手紙を涙ながらに紹介し「災害時の避難は人間が優先となり、飼われている動物は取り残されてしまうが、人も動物もみな大切な命であると伝えていきたい」と語りかけた。
うささんは今後も国内外の災害で犠牲になった動物を描いた展示会も企画中で「阪神大震災や他の災害で失われたペットの姿も絵にしてよみがえらせたい」と話している。
希望者は、うささん((電)090・3135・2008)へ。