朝日新聞デジタルより
動物の精子と卵子(配偶子)を凍結保存する「冷凍動物園」計画が、3月にも横浜市内で本格始動することがわかった。神戸大学の研究者が細々と続けていた試みを、日本動物園水族館協会(JAZA)が拡充する。ゴリラやゾウなど、近い将来、動物園から姿を消しそうな種の国内繁殖を目指すだけでなく、野生での絶滅にも備える「配偶子版ノアの方舟(はこぶね)」でもある。
■神戸大発祥、「配偶子バンク」拡充
原点は、楠比呂志・神戸大学大学院准教授が1993年に始めた研究だ。
研究室に、高さ約1メートルの容器がずらり。中には、マイナス196度の液体窒素とプラスチック製の試験管。アフリカゾウ、アムールトラ、シマウマなど142種の配偶子が眠る。